FLOW Score

この図案は気持ちよく刺せるか、まず何を直すべきか。FLOW Scoreはその両方に答え、問題ごとにすぐ押せる修正を並べます。

場所
左のツールバーのバッジ / 右パネル → チェック
キーボードと修飾キー
Shift+C
ConfettiScopeの表示を切り替え(関連)

基本

何か月もかけて図案を刺す前に、知っておきたいことが2つあります。気持ちよく刺せるか、まず何を直すべきかです。FLOW Scoreはその両方に答えます。図案がどれだけスムーズに刺し進められるかを100点満点で示し、大きな問題から順に並べ、それぞれの横に修正を用意します。

FLOWが見るのは刺し心地で、見た目ではありません。画面ではきれいな図案でも、布の上では骨の折れる作業になることがあります。たくさんの単独の目(英語)、見分けのつかない色、数目のために買う糸、際限のない糸の付け替え。FLOWが見つけるのは、そうした点です。各項目の考え方は、FLOW Scoreの詳しいガイド(英語)で解説しています。

図案をチェックする: 「似た色を統合」にポインターを合わせると適用後のスコアが表示され、押すとスコアが上がる

スコアは4つの項目を組み合わせたものです。

  • 単独の目(F、Fragmentation): 同じ色の目から離れて、ぽつんと1つだけある目がどれだけあるか。
  • 色のまとまり(L、Locality): 長く続けて刺したり、1色で範囲全体を埋めたりできるか。
  • パレット(O、Optimization): 似た色、ほとんど使わない色、色の数。
  • 管理する刺繍糸(W、Workability): 作業の大きさ。糸の数、バックステッチ、図案のサイズ。

FLOWは、エディターの「チェック」タブと、画像のインポートで写真を図案に変換している間に表示されるので、エディターで開く前から図案を評価できます。


まず何を直すか

「チェック」タブは、問題をあらかじめ並べ替えてくれます。気になっている点から始めたいときは、次の表を参考にしてください。

こんなときは操作
このまま刺す価値があるかを知りたいラベルを見る。「良い状態」(70点以上)以上なら、刺し始めましょう。
1目のために糸を替えるのをやめたい「単独の目」カードの「単独の目をクリーンアップ」。たいていいちばん効果があります。
何かを変える前に、単独の目の場所を確認したい「単独の目」カードの「図案上で表示」
整理しながら顔や文字を守りたい「手作業でクリーンアップ…」を押し、単独の目を整理でその部分をマスクする
布の上では同じに見える2本の糸を買うのをやめたい「パレット」カードの「似た色N件を統合」
数目にしか使わない糸を減らしたい「パレット」カードの「ほとんど使わない色N色を削除」
統合や削除を1色ずつ決めたいパレットの修正の下にある「色ごと」
糸の数を全体的に減らしたい「管理する刺繍糸」カードの「減色…」
もう買えない糸を置き換えたい4つの項目の下にある「購入前に」

どの修正も元に戻す1回分なので、試しても損はありません。


FLOWビュー

「チェック」タブを開くと、問題が「最も効果的な対処」の下に、弱い項目から順に表示されます。すでに良い状態の項目はその下の「問題なし」にまとまるので、時間を無駄にしません。直す必要のあるものがなければ、「4項目とも問題なし」と表示されます。

各項目は、何が起きているかと、その深刻さを1文で示します。

状態項目のスコア例
「良好」75点以上「同じ色が連続する目の数は平均6.2です。」
「改善の余地あり」50〜74点「34色。このサイズの図案は通常15〜35色です。」
「要改善」50点未満「目の8.4%が、同じ色の仲間から離れて単独になっています。」

言葉は手芸に合わせて変わります。ダイヤモンドアートでは最初の項目は「ノイズ」、C2C編みでは「単独のブロック」、アイロンビーズでは「単独のビーズ」です。

改善が必要な図案の「チェック」タブ: スコアとラベル、「最も効果的な対処」の下に単独の目とパレット、「問題なし」の下にほかの2項目

ビューから修正する

各問題のすぐ下に修正があるので、適切なツールを探し回る必要はありません。エディターでは、どの修正も図案を変え、元に戻す1回分になります。

項目修正図案への影響
単独の目「単独の目をクリーンアップ」単独の目を周りの色にまとめます。図案全体が対象で、強さは「単独の目を整理」ツールの初期設定(40%)です。
「図案上で表示」ConfettiScopeで図案上の単独の目を強調表示します。何も変えません。
「手作業でクリーンアップ…」単独の目を整理を開きます。強さを選んだり、範囲を保護したりできます。
パレット「似た色N件を統合」似た色をそれぞれ似ている色に変えます。2色のうち、使用量の多いほうが残ります。
「ほとんど使わない色N色を削除」ほとんど使わない色を、すでにある最も近い色で刺し直します。
管理する刺繍糸「減色…」色数を減らすを開き、残す色の数を選べます。

「単独の目をクリーンアップ」で整理するものが残っていないと表示されても、「単独の目を整理」ツールなら、強さを上げてさらに整理できます。

編集した直後は、スコアが追いつくまでの間、修正が少しだけグレー表示になります。変わったばかりの色に修正が作用しないようにするためです。

修正の効果を確かめる

修正する価値があるかわからないときは、修正にポインターを合わせる(またはキーボードでフォーカスする)と、下部のスコアに「適用した場合」の値が表示されます。押すまで何も変わりません。押したあとは、「+6」のように、スコアがどれだけ動いたかが表示されます。

見積もりはほぼ正確ですが、実行中に細かな判断をする修正もあるため、常に一致するとは限りません。

修正の対象から色を外す

「ほとんど使わない」色こそが大切な場合もあります。瞳の輝きや、1つだけの赤い実です。「似た色を統合」と「ほとんど使わない色を削除」は、変更するすべての色を、変更後の色とともに表示します。1つタップすると対象から外れ、もう一度タップすると戻ります。修正の件数と見積もりも、それに合わせて更新されます。

色にポインターを合わせると、その色が図案上で光り、ほかはすべて暗くなるので、決める前に使われている場所を確認できます。

「似た色3件を統合」で変更される色の一覧。1色が対象外になり、その色が図案上で光っている

色ごと

変更を1つずつ自分で決めたいときは、パレットの修正の下にある「色ごと」を使います。似た色の組とほとんど使わない色が1行ずつ並び、それぞれに「統合」か「削除」があります。ほとんど使わない色には、「図案の0.3%」のように、図案のどれだけを占めるかが表示されます。

行にポインターを合わせると、その色が図案上に表示され、その変更1つで得られるスコアがわかります。

気が変わったら

修正のあと、ビューには「似た色3件を統合しました」「64 → 71」のように、何をしたかとスコアの動きが表示され、すぐそこに「元に戻す」と「やり直す」があります。こうして複数の修正をさかのぼり、各段階のスコアを確かめられます。

図案を手で編集すると、この「元に戻す」は使えなくなり、ビューに「その後の編集あり」と表示されます。エディター自体の元に戻す(Cmd/Ctrl+Z)は、いつもどおり使えます。


購入前に

刺し始めてから糸が廃番だと知るほど、がっかりすることはありません。パレットに、メーカーがもう製造していない糸があるときは、「購入前に」に、代わりに使う現行の色とともに1本ずつ表示されます。メーカーが推奨する代替品か、現行の最も近い色です。1本ずつ「切り替え」を押すか、「N色すべてを切り替え」を押します。

切り替えても、記号とすべてのステッチは保たれます。スコアは変わりません。買えない糸は買い物の問題で、刺し心地の問題ではないからです。

「購入前に」: 廃番の糸が2本、それぞれ切り替え先の現行の色とともに表示されている

FLOWのクイック改善(5分)

スコアが低く、すぐに直したいときは、「チェック」タブを上から順に進めます。

  1. 単独の目: 「単独の目をクリーンアップ」にポインターを合わせて効果を確かめ、押します。大切な細部が消えるようなら、元に戻して「手作業でクリーンアップ…」を使い、自動モードで顔や文字の部分にマスクをかけます。
  2. パレット: 「似た色N件を統合」を押してから、「ほとんど使わない色N色を削除」を押します。残すべき色は、先に対象から外しておきます。
  3. 管理する刺繍糸: それでも色が多すぎるときは、「減色…」を押して目標の色数を選びます。たいていの図案では、20〜30色から始めるのがおすすめです。
  4. 残りの片付け: 「パレットと色のツール」の未使用の色を削除を使います。

単独の目の整理だけで、スコアが15〜25点上がることもよくあります。


単独の目(F)

なぜ大切か: 単独の目があるたびに、1目のために糸を付けて始末することになります。数が多いとリズムが崩れ、作品の裏も糸端だらけになります。

単独の目は、スコアの中で最も比重の大きい項目(30%)です。単独の目(英語)は、刺している時間のすべてに影響するからです。カードには、単独になっている目の割合が表示されます。

単独の目の割合単独の目のスコア刺し心地
約0%約100単独の目がまったくない
約1%約86ほとんど気にならない
約5%約47面倒に感じ始める。整理がおすすめ
約10%約22単独の目がかなり多い。手直しが必要
約20%約5刺すのがつらい

修正: カードの「単独の目をクリーンアップ」か、強さや範囲を自分で選びたいときは単独の目を整理ツールを使います。似た色の統合も効果があります。ほとんど同じ2色が隣り合っていると、単独の目として数えられるからです。

同じ部分での「単独の目をクリーンアップ」の前と後: 左は散らばった単独の目、右は単色の面

色のまとまり(L)

なぜ大切か: 色のまとまりが良いと、1つの部分に腰を据え、糸を替えずに1列を刺し進め、1色で形を埋められます。まとまりが悪いと、布のあちこちを行ったり来たりすることになります。

数えるのは2つです(スコアの25%)。同じ色の目が何目続くか(カードに平均が表示されます)と、同じ色の範囲の大きさです。

平均の連続数 / 範囲の大きさスコア刺し心地
8以上 / 20以上約100とても良い。区画ごとに刺せる
6 / 15約85良い。気持ちよく進められる
4 / 10約70まずまず。多少あちこちに飛ぶ
2 / 5約50何度も移動が必要で、なかなか進まない

色のまとまりには、専用の修正はありません。スコアを上げるのは、単独の目の整理と似た色の統合です。


パレット(O)

なぜ大切か: 整ったパレットでは、どの糸にも存在する意味があります。整っていないと、布の上では見分けのつかない糸や、数目にしか使わない糸を買うことになります。

減点の対象は3つです(スコアの20%)。それぞれ減点できる上限があるので、色を統合したり削除したりするたびに、スコアが動きます。

  1. 似た色(最大50点)。 布の上で見分けにくい色です。組ではなく1色ずつ数えるので、どれも似ている茶色が5色あれば、4本の糸が余分ということになります。似ているほど、減点が大きくなります。
  2. ほとんど使わない色(最大35点)。 目数の0.5%未満にしか使わない色です。1色につき6点減ります。
  3. パレットの大きさ(最大15点)。 このサイズの図案の目安を1色超えるごとに1点減ります。

色数は目安であって、決まりではありません。「34色。このサイズの図案は通常15〜35色です。」のように表示されます。はっきり区別できる、よく使われる色が多いパレットなら、良い図案です。図案に必要な色数(英語)をご覧ください。

修正: 「似た色N件を統合」、「ほとんど使わない色N色を削除」、または「色ごと」で1つずつ。パレットで自分で色を編集することもできます。


管理する刺繍糸(W)

なぜ大切か: この項目は、これから取り組む作業の規模を示します。糸巻きがいくつ必要か、バックステッチがどれだけあるか、作業がどれだけ大きいかです(スコアの25%)。欠点ではなく規模です。色の多い大きな図案でも、ほかの3項目が良ければ、気持ちよく刺せます。

数えるのは3つです。

  1. 糸の数: 20色までは減点なしです。それを超えると段階的に下がり、40色を超えると最大30点減ります。
  2. バックステッチ: 長さと線の数で見てバックステッチが多いと、最大35点減ります。バックステッチのない図案には10点のボーナスがあるので、バックステッチを加えるとこの項目は下がります。それでも、デザインに役立つ場所には加えてください。
  3. 図案のサイズ: 250×250より大きい図案は、最大20点減ります。

修正: 「減色…」で「色数を減らす」が開きます。


数値の意味

スコアラベル刺し心地
90〜100「スムーズに刺せる」単独の目が抑えられ、パレットも整っている
70〜89「良い状態」気になる点がいくつかあるが、たいていすぐ直せる
50〜69「あと少し」刺せるが面倒。単独の目かパレットが足を引っ張っている
30〜49「手直しが必要」整理しないと、いらいらしそう
0〜29「見直しが必要」刺すうえで深刻な問題がある。上のクイック改善を試す

スコアは70点から緑、50点から黄、それ未満は赤で表示されます。


表示される場所

エディター: 左のツールバーの下部にある、スコア入りの色付きバッジで、右パネルの「チェック」タブが開きます。ウィンドウの高さが低いとバッジは隠れるので、「チェック」タブを直接開きます。

タブレットやスマートフォン: ツールレールの「チェック」をタップします(「その他」の中にある場合もあります)。背後の図案は見えたままなので、「図案上で表示」や色にポインターを合わせたときの強調表示も確認できます。「手作業でクリーンアップ…」や「減色…」のようにツールを開く修正では閉じ、それ以外ではそのまま開いているので、新しいスコアを確認できます。

写真を図案に変換している間: 画像のインポートの「図案」ステップでは、FLOW Scoreが設定の下部にあり、設定を変えるたびに動きます。開くと同じビューが表示されます。こちらの修正は図案ではなくインポートの設定を変えるので、図案が作り直されても効果が残ります。「N%までクリーンアップ」、「図案上に表示」、「ほとんど使われていないN色を削除」、「N色にしてみる」、「色ごと」です。ピクセルアート、アートスタイルのカラースタイル、PDFのパレットでは、表示されないものもあります。

スマートフォンでのFLOW。ツールレールの「チェック」から開いていて、背後に図案が見えている

ヒントと注意点

  • FLOWは目安であって、成績ではありません。 60点でも図案が悪いわけではなく、少し根気が要るというだけです。もともと複雑なデザインもあります。
  • 「良い状態」以上なら、刺し始めましょう。 70点を超えたら、それ以上調整しても刺し心地はあまり変わりません。
  • まずは単独の目から。 整理するのが、ほとんどの場合スコアを上げるいちばんの近道です。
  • 押す前にポインターを合わせましょう。 「適用した場合」で、修正する価値があるかがわかります。
  • 大切な色は残しましょう。 押す前に、ハイライトの色を統合や削除の対象から外しておきます。
  • 画像のインポートを終える前にチェックしましょう。 インポートの段階でFLOW Scoreを見ながら設定を比べると、あとの整理が楽になります。
  • バックステッチは「管理する刺繍糸」を下げます。 これは規模の問題で、欠点ではありません。
  • スタイルによっても変わります。 ピクセルアートや、わざと細かく散らしたデザインはスコアが低めになることがあります。FLOWが測るのは刺し心地で、芸術的な価値ではありません。
  • 修正には代償もあります。 強い整理は細部をぼかすことがあります。下絵(U)で元の画像と比べましょう。